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本堂・総門落慶法要並びに浄土宗開宗850年慶讃法要を開催しました。

2024年11月30日
東日本大震災で被災し、災害復旧工事等が進められていた国指定重要文化財の当山本堂と総門の修理完了を祝う落慶法要を厳修いたしました。
本堂と総門は、当山第七十六世遠藤顕道上人のご尽力により、平成16年に国指定重要文化財に指定されました。しかしながら、当山の経済的事由等により、なかなか復興は進まず、本堂・総門等の荒廃はさらに進み、本堂に至っては、本堂裏手 よりワイヤーロープで倒壊しないように保全するのが精いっぱいでありました。
そのような最中、平成23年東日本大震災が発災。毎日のように余震が続く中、本堂・総門は「全壊」、庫裡は「一部損壊」判定と予断を許さない状況でありました。顕道上人は、先立つものはなかったにせよ、後世にこの専称寺を残すために、一念発起し文化財の災害復旧に踏み切りました。
松井建設株式会社様と(公財)文化財建造物保存技術協会様を中心に、日本の文化財保存技術の叡智を結集し、約6年半の歳月をかけ、災害復旧・一般修理事業に取り組んでいただきました。
寛文11年(1671年)当時の部材も残しながら、質実剛健、そして、かつて多くの修行僧が共に学んだ「名越檀林」を想起させてくれるような風格を見事に復元していただきました。さらには、現代の防災技術を駆使した防災設備等整備事業にも着手し、文化財を災害等から守る環境も整えました。
当日は、山形教区浄土院・日野崇雄上人による御法話に始まり、浄土宗寺院諸大徳約50名の御随喜を賜り、行政・工事関係者、そして檀信徒とともに、盛大に落慶法要を執り行うことができました。
本来であるならこの落慶法要は、令和元年10月に行われる予定でしたが、令和元年東日本台風の発災により、いわき市も甚大な被害を受けたことで、延期という苦渋の決断をいたしました。その後、令和2年4月に顕道上人が遷化され、新型コロナウイルス感染症の流行等もあり、落慶法要を行うことができず、今日にいたりました。
浄土宗開宗850年を迎えるこの勝縁の年に、みなさまと共にこの落慶法要と開宗850年慶讃法要を厳修できましたことを感謝するとともに、専称寺のさらなる復興へ、歴代上人・顕道上人の想いを形にできますよう、力を尽くしてまいります。