「本堂・総門」災害復旧工事
重要文化財 専称寺総門 修理前・変更(竣工) 平面・立面・断面 比較図
概要
重要文化財建造物には、自動火災報知設備の設置が消防法で定められており、平成18年度にそのための現地確認が行われた。しかし本堂・総門は傾斜や腐朽・蟻害が酷く、根本修理後に自火報を設置する方向で工事を計画していた。ところが平成23年3月11日の東日本大震災で破損がより深刻となり、平成23年12月から災害復旧事業として、本堂・総門の解体修理工事が開始された(工事着手は平成24年3月)。災害復旧とはいえ、重要文化財建造物としての価値を損ねぬように、再用部材の吟味、改変の経緯などが調査され、建築当時の姿が概ね明らかとなった。
災害復旧事業の繰越延長が可能な年数は3ヶ年度で、またこの事業は現状復旧が原則のため(耐震診断・補強方法検討及び補強工事の一部はこの事業で実施)、平成25年度で一旦事業
を精算した。平成26年度から保存修理事業の災害復旧枠で事業を再開・継続し、復原(総門…扉の復原、本堂…来迎壁、向拝石敷)・整備(総門・本堂…茅葺形銅板葺)に係る工事は、平成27年度から実施している。現在のところ保存修理事業(災害復旧枠・一般修理枠とも)の完了は平成30年度(総門は平成27年度工事完了)、総事業費は災害復旧事業での実施済分も含めて約10.8億円。
※保存修理は国・県・市の補助を得て実施しています。
重要文化財 専称寺総門 修理前・変更(竣工) 平面・立面・断面 比較図
寛文8年(1668)焼失。同11年(1671)再建開始。約10年の工事中断を経て、天和2年(1682)に内部造作まで完了。
平成16年(2004)、総門・庫裏と共に重要文化財(建造物)に指定